−*初カレ*−
口に咥えて吸い込み、ゆっくりと味わってから吐き出した。




ゆらゆらと紫煙が舞い、私の鼻孔を擽る。




っていうか何で教室で吸ってるの。




まぁ窓開いてるけどさ。




『ねぇねぇ。』


「んぁ?」


『タバコってどんな味?』


「……吸ってみるか?」


『…………は?』




何を言っちゃってんの、この教師は。




「おいで。」


私は何故か宏介に逆らう事なく、促されるまま隣に座った。




突如腕を引かれ、気付いた時には……






唇が重なっていた。






『んッ……。』




姫華は目を見開き、口の中に入ってくる煙りに気付かなかった。




唇には柔らかい感触…。




宏介はゆっくりと唇を離し、何もなかったかのようにまたタバコを吸った。
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