−*初カレ*−
「姫華〜かーえろっ♪」


『ごめんっちょっと用事あるから先校門で待ってて!!』


「え?そう?じゃあ待ってるから早くね〜」


『うんっ』


私はそう言うとロッカーを整理してから鞄を持って、教室を出た。






校舎裏に着いた。
私を呼び出した人はまだかな?


なんか怖くなってきちゃった…。




柱の影からそっと覗くと男の子がいた。


急に足が震えてきて前に進めない。


……駄目だっ
前に進めない。




目が合った瞬間、男の子は姿勢を正した。


足が止まってしまった私のもとに男の子がゆっくり近付いてくる。


ギクシャクと、まるでロボットのような動きで。




「あ、あのさ…。」


反射的に上を向いた。


「あの、一年の時から、ず、ずっと……す、す、好きだったんだけど……!!」




え……?




時間が止まったような、別世界に飛ばされたような、そんな感覚が私を襲う。




もうドキドキなんてもんじゃない。今にも息が止まりそう。
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