−*初カレ*−
『はぁー…。
咲ちゃん、時計見て!!もう22時っ!!』


「んぅー…?」




咲人はチラッと時計を見ると、また私の肩口に顔を埋めた。




「明日入る…。」


『はぁー…。駄目だよ。今すぐお風呂入ってこないと、私の部屋、出入り禁止にするよ?』


ピクッ


「やだ。」


咲人の肩が僅かに動いた。




『じゃあ、今すぐお風呂に直行ーッ』


私はドアを指差して言った。




「チェッ…行ってくるよ。」


咲人は渋々姫華から離れ、ポケットに手を突っ込み、部屋を出ていった。




はぁー、やっと動ける。




私は開放感に浸りながら肩をぐるぐると回した。




音楽をかけ、ストレッチを始める。




バレエを辞めてからもストレッチは毎日かかさずやっている。




身体を伸ばすって気持ちいい。




お義母さんに「バレエまた習わない?」って言われたけど……ママとパパの事故がトラウマになってるから……。




バレエ仲間のみんな、元気にしてるかな……。




私がそんな事を思いながらストレッチをしてると……
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