−*初カレ*−
宏介の授業は皆真面目に聞いている。




後で何言われるか分からないからだ。




特に私なんて毎日放課後手伝いに行ってるから嫌でも会うしね。




「ココを藤咲。」


おっと…


考えごとしてたら当てられた。




『x=2、y=−1。』


「正解。じゃあ次の問題…。」






数学が終わると宏ちゃんは女の子達に囲まれる。




女の子達は質問という口実で話し掛けている。




大変そうだな。と思い見ていると…宏ちゃんと目があった。




タ ス ケ テ




口パクで言われた。




『はぁー…。』




私は溜め息をつくと席を立ち、宏介のところで群がっている女子達のところへ行った。




『せんせー高坂先生に呼ばれてなかったっけー?』


宏「え?あ、あぁー…そういえば呼ばれてたなー。」




明らか棒読みの宏ちゃん。

折角助けてあげてるんだからちゃんと話合わせてよ。
< 128 / 269 >

この作品をシェア

pagetop