−*初カレ*−
「って事で俺もう行くわ。」


「えぇーもぅ行っちゃうのぉー?」


「おう。呼ばれてるからな。」


「じゃあしょうがないねぇ。」


「そうだねぇ。じゃあまたねーせんせー。」




宏介は皆に手を振ると、去り際に「サンキュ、姫華。」と姫華の耳元で呟くと教室を後にした。








放課後


HRが終わった後、教卓にいる宏介のところへ行った。




『今日は用事あるから手伝えない。』


「用事ってなに?」


『彼氏。』


「………………ふーん。
っていうかさ、彼氏って誰?」


『えっ?言ってなかったっけ?』


「言ってねーよ。」


なんか段々機嫌悪くなってない?




『まぁいいや。優哉くんだよ。』


「優哉?誰だ?」


え!?分からないの!?
担任のくせに…。




『岡野優哉くんだよ。』


「あぁ…岡野か…。」


宏介は今思い出したのか、帰る準備をしている優哉の方をチラッと見て溜め息をついた。
< 129 / 269 >

この作品をシェア

pagetop