−*初カレ*−
―優哉side―


昨日見た2人…




姫華とその弟。




弟に言われた言葉が脳裏を過ぎる。




“認めてねーから”




強い眼差しで俺に牙を向ける弟。




その眼差しは姫華を強く想っているように見えた。








怠い身体を無理矢理動かして学校へ行く。




教室ではいつも通り明るく挨拶をしてくれる姫華。




つい昨日の弟の言葉を思い出し、顔を背けた。




幼なじみの相馬とじゃれる姫華。




俺には見せない自然の笑顔。




なんだろう。




胸が




凄く




痛い……。






忘れていたわけじゃないんだ。




幼なじみと…弟の存在を…。
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