−*初カレ*−
「姫華の気持ち。」


「……。」


「幼なじみと弟の存在。」


「……。」


「はぁ…。」


俺は溜め息をつき、胡座をかいて頭を抱えた。




「姫華の弟にさー…俺の事認めないって言われた。」


「弟って実の?」


「分かんね。」


「ふーん。」




俺の勘だけど、多分義理。




理由は簡単




弟は明らかに、姫華の事が好きみたいだから。




「それに、相馬や弟は俺より長く姫華といるじゃん?」


「……。」


「姫華は俺のことなんとも思ってないのかなーって…。」


「……。」


「幼なじみ達といる方が楽しいんじゃねーかって……。」




なんか言ってて悲しくなってきた。




俺は目頭を指で抑えた。




「バカじゃねーの?」


「は?」


「バカだって言ってんの。」


「なッ」


秀紀は立ち上がり、ボールを数回ドリブルしてから俺に勢いよくパスした。
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