−*初カレ*−
『ねぇねぇ、さっちゃん。』


「なにー」




お昼休み、足を組みながらファッション雑誌を読んでいる幸江に声をかけた。




『私って知らず知らずの内に誰かを傷付けたりしてる?』


「うー…ん。」


幸江は雑誌を机の上に置き、頭を傾げた。




「あえて言うなら、鈍感。無自覚。お人よし。」


『…………。』




なんかグサッと胸に刺さった。




「まぁ、それも姫華の良いところだと私は思うけどね〜パリッ…モグモグ…。」


幸江はウンウンと頷き、ポテチを口に入れた。




私……鈍感なんだ……。




鋭い方かと思ってたのに。




成績良い方なんだけどな…。




無自覚って何に?




全然分かんない。




自分で自分を理解していない時点で私ってダメダメだよね……。




こんなんじゃ優哉くんに嫌われちゃう……。
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