−*初カレ*−
涙が目から溢れだし、頬を伝う。




『私なにかした?優哉くんが私の嫌いな部分指摘してくれたら直すもんっ、だから別れるなんて言わないで!!』


「……。」


『優しくて真っすぐで、私を好きって言ってくれた優哉くんが大好きなの……。』


涙を流しながら、絞りだすように言葉を伝えた。




私は暖かい温もりに包まれた。




抱きしめられている……?




「初めて言ってくれた……。」


『……え?』


「俺の事、“好き”って言ってくれた……。」


『……。』




優哉くんの呼吸が耳元で聞こえる。




そういえば初めて優哉くんに気持ちを伝えた気がする。




だって、付き合ったばかりは友達感覚だったし、自分の気持ちが分からなかったから。




「俺…嫉妬してたんだ。相馬と姫華の弟に。」




咲ちゃんとりっちゃんに?




「姫華見てたら、必ず相馬達が側にいるだろ?羨ましいのと同時に憎らしかった…。」


『……。』
< 190 / 269 >

この作品をシェア

pagetop