−*初カレ*−
「姫華ちゃんッ」


『まかせてッ』


私はバトンを受け取り、無我夢中で走った。





すぐ目の前にいた青組を追い越し、次に赤組を抜かした。




次の人にバトンを渡すと、私は倒れるように芝生に座り込んだ。




荒い呼吸を整える。




「姫華凄いッ」


幸江が駆け寄ってきた。




「2人も抜かしたの姫華だけだよ!!」


『ハァ…ハァ…頑張った……。』


私は『えへへ♪』と笑いながらピースをした。




バトンはどんどん渡っていき、後半は運動部の人ばかりが残った。




「白組のアンカーは相馬ね。」


『うん。』




そして、黄組のアンカーは優哉くん。




2人がどんな走りを見せてくれるか楽しみだ。




1位と2位は白組と黄組だ。




2組同時にアンカーへバトンが渡った。




2人共速いッ




陸上部より速いんじゃない!?




さすがバスケで毎日鍛えてるだけある。




私はゴールテープの前まで走った。




2人が近づいてくる。




優哉と咲人が見えるのは、ゴールテープの前にいる姫華。




咲ちゃん?




優哉くん?




どっち?
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