−*初カレ*−
《次で最後です!!20組目!!ヨーーイ……パンッ》




いつの間にか最後の組になっていた。




走ってるのは……




あれ?




私、視力落ちたのかな?




目を擦り、また前を見据えた。




優哉くんが走ってるように見えるんだけど……。




優哉はピストルの音と同時に走りだし、お題の入った箱に手を突っ込んだ。




紙を取り出し、内容を確認すると、姫華の方へ一直線に走っていった。




あれ?




やっぱり優哉くんなの?




こっちに走ってくる。




「姫華来て!!」


『え!?私!?』


私は優哉くんに手を捕まれ、一緒に駆け出し、ゴールテープを切った。






『ハァ…ハァ…ハァ…優哉くん…どうしたの?』


勢いよく走ったので、呼吸を乱れてるが、顔を上げて問い掛けた。




「いいから見てて。」


『??』


優哉は審判に手に持っていた紙を渡した。




《お題はっと…“大切な人”です!!》




優哉は姫華の方を向いて、ニコッと笑った。




「姫華は俺にとって、大切な人だ。」


『優哉くん……。』


「これからも俺の側にいてくれる?」


『うんッ!!』


私は満面の笑みで優哉くんに抱き着いた。
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