−*初カレ*−
『むぅ〜…顔が変形してお嫁にいけなくなったらどうしてくれんの?』


「そしたら……




俺が貰ってやるよ。」


『は?』




咲人は急に真剣な顔になり、姫華を見据えて言った。




『ぷ』


「??」


『あははははッなんでそんな真剣な顔してんの?冗談よしてよー。』




姫華は咲人の言葉を冗談にとったのか、お腹を抱えて爆笑している。




「はは……。」


咲人は空笑いし、ガクッと頭を垂らした。




『あっ私お手洗い行ってくるね。』


「あぁ。」




私はドアを開け、廊下に出た。




一番近いトイレは混んでいたので、2階上のちょっと離れた所へ行った。




トイレを済ませ、元の部屋に戻ろうとした。




「あははははッ」




廊下なのに笑い声が聞こえる。




「優哉も呑もうよ〜」




女の子の声。




この階にはあまり人がいないせいか、女の子の声は廊下に響いていた。




私は興味本位に声が聞こえる方へ振り向いた。




『え……?』




私は目を見開いた。




そこにいたのは




『優哉くん?』




そして、その隣に女の子。




女の子は優哉くんの腕に腕を絡ませて寄り掛かっていた。




優哉は別に気にせず、壁によっ掛かっていた。




「優哉ちゅー」




女の子は優哉くんの唇に




キスをした。
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