−*初カレ*−
私はかけ直すこと無く、電源を切り、携帯を閉じた。




ベッドに横になり、ぬいぐるみをギュッと抱きしめる。




今は何も考えたくない。




話も……したくない……。




私は髪を乾かすのを忘れ、いつの間にか眠りについていた。






――――…
――――――…




『…………。』




鏡に映るのは目元がぷっくり膨れている姫華の姿。




昨日泣きすぎたせいだ。




私は寝癖のついた髪を櫛で整え……られなかった。




昨日濡れたまま寝たせいだ。




はぁ……もう最悪。




私は仕方なく髪をポニーテールにして、目元は氷で冷やした。




泣いてる時、目元を擦ったせいで赤くなった所をコンシーラーとファンデで隠した。




これで大丈夫。




私は支度と朝食を済ませ、学校へ向かった。












「姫……大丈夫か?」


『……大丈夫……。』




咲人は姫華の顔を覗き、憂色を浮かべた。




―ガラッ




私は扉を開けて教室へ入った。




「おはようっ姫華〜♪」


『……おはよう。』




私と違いハイテンションのさっちゃん。
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