−*初カレ*−
「あれ?姫華?」




途中、3組に向かっていた宏介とすれ違ったが、聞こえていなかったかのように通り過ぎた。




「……。」


宏介は姫華が走り去った方を見つめ、目を細めた。










―ガラッ


『……。』


「あら、藤咲さんどうしたの?」




扉を開けた場所は保健室。




保険医の眞辺先生は30代の女の人。




優しくてお母さんのような人だ。




『気分悪いので休ませてください。』


「大丈夫?熱測る?」


『大丈夫です。ベッド借りますね。』


「どうぞ〜」




私はベッドに倒れ込むように横になり、カーテンを閉めた。








――――…




“ママー、今日もお仕事?”


“そうなの…ごめんね……。”


“大丈夫!!姫華、良い子でお留守番してる!!”


“姫華は偉いわね。”


“えへへ♪”




これは小さい頃の思い出……?




懐かしい……。




あれ?




場面が変わった……。
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