−*初カレ*−
「お前魘されてたぞ……。」


『……。』


「何があったか聞かないが……。」


『……。』


「ハァ……今昼休みだから、もう少し寝てな。」


宏介は姫華の頭を一撫ですると、席を立ち上がった。




「……。」


『……。』


「姫華……?」


私は無意識に宏介の服の裾を掴んでいたらしい。




なんだか…一人になりたくないと思った。





宏介は椅子に座り直した。




「もう少し、ここにいてやるよ。」


『……ありがとう。』


私はお礼を言うと、またベッドに横になった。




宏ちゃんは、私が眠りにつくまで手を繋いでてくれた。




大きくて、ゴツゴツとしてて、温かい……。




私はパパのような優しい手をギュッと握り

返し、安らかな眠りについた。







――――――…


パチッ


『……。』


重い瞼を開け、チラッと横を見ると、眠っている宏介の姿が。




本当にずっと一緒にいてくれてたんだ……。
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