−*初カレ*−
『3分だって。』


《“3分だって”!?お前今誰といるんだ!!??》


もうちょっと声を抑えてほしい。




隣の宏ちゃんも苦笑いしてるよ……。




『今宏ちゃんに車で送ってってもらってるの。』


《“宏ちゃん”!!??誰だソイツ!!!!》




咲ちゃんご立腹。




携帯から黒いオーラが出てるよ。




『宏ちゃんは3組の担任の先生だよ。』


《担任!?そういやお前の担任男だったな。》


『そう。だからあとちょっとで着くから。じゃあね。』


《えッ!?ちょっ……―ブチッ


私は携帯を一方的に切って、鞄の中に閉まった。




「過保護な幼なじみだな。」


『そうなんだよね。でも家族同然だから心配するのも無理ないかも。』


「ふーん。」


宏介は返事をすると、ポケットからタバコを出し、口に咥えた。




信号待ちの間にタバコに火をつけて一服。




私の事を思ってか、窓を開けてくれている。




キキッ




「着いたぞ。」


バンッ


車が私のお家の前に停車すると、誰かが車にへばりついた。




「誰だ……。」



私は宏介が睨んでいる方向へ顔を向けた。




『さ、咲ちゃん……。』


私は口元を引き攣らせ、宏介と睨み合っている咲人を見た。




私は即座に車から下りると、咲人の所へ行った。




『咲ちゃん!!』


「姫華!!」




咲人は宏介と睨み合うのを止め、姫華を抱きしめた。
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