−*初カレ*−
とりあえず幸江は咲人にバレないようにサポートする事に決めた。


「相馬のことは私に任せて。だから2人で仲良く帰りなさい♪」


幸江は2人の背中をポンと押した。


その時姫華と優哉は顔を見合わせ、お互い顔が真っ赤になった。


その様子を後ろで幸江がクスクスと笑っていた。






校門を出て、2人の間には微妙な距離ができていた。


小さな姫華は小走りで優哉についていっていた。


それに気付いた優哉は、姫華の歩調に合わせ、ゆっくりと歩いた。




「えと…今日の英語、難しかったな!!」


『えっ…そうかな…。』


「俺ハゲ先に当てられた時超焦った。」


『ははっ…』


姫華が空笑いしてしまった為、2人の間に沈黙がはしる…。


優哉の手には緊張の為か汗が滲んでいた。




「あ…そういえば朝言ってた相談って何?」


『あっ、そういえば…。』


姫華は優哉に相談に乗ってもらうことを忘れていた。


『あのね、さっちゃんの事なんだけど…。』


「瀧野のこと…?」


『うん、さっちゃんね、大久保くんの事が好きなんだって。』


「マジで!?」


優哉は目を見開き吃驚した。
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