−*初カレ*−
『…………嫌じゃないよ?』


「え…?」


『別に嫌じゃないよ?』


「……本当?」


『うん…//』


私は照れ隠しに下を向いて、チラッと優哉の方を向いた。


その時、右手が暖かい温もりに包み込まれた。


私は優哉の方を見ると、耳がほんのりと赤くなっていて、照れ隠しにわざと真剣な面持ちで前を見据えていた。




『クスッ』


私は微笑し、ニコニコしながら繋がれた右手を握り返し、ゆっくりと歩いていった。




今日は優哉くんの事が少し分かった気がする。


凄く照れやで、真っすぐ。
すぐ赤くなるけど、思った事を人の目を見てちゃんと言葉にして言ってくれる。


なんだか見ていて微笑ましいな。




優哉くんは私をお家まで送ってくれた。




『送ってくれてありがとう!!』


「あぁ。」


優哉はニコッと笑い、名残惜しくも姫華の手を離した。
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