−＊初カレ＊−

こいつにはちょっと重いか？


「あぁ､俺が２つ持つから藤咲はそれを持ってくれ｡」


『分かった〜｡』


藤咲は手を挙げて返事をすると､ダンボール箱一つを持ち俺の後に付いてきた｡


後ろを見るとダンボール箱で顔が見えず「よいしょ､よいしょ｡」と言っている藤咲の姿があった｡


どんだけチビなんだよ｡


俺は苦笑しながら資料室に向かった｡




―ｶﾞﾁｬ


ﾊﾟﾁｯ


「うわー埃っぽいな…｡」


俺は資料室の電気を付けるとダンボール箱を下ろし､ガムテープをとった｡


「その箱のガムテープも解いてくれ｡」


俺は藤咲が持っているダンボール箱を指差した｡


『分かった｡』


「その箱の分はあっち側の棚の上から５番目の奥に入れてくれ｡」


『分かった｡宏ちゃんの分は？』


「“宏ちゃん”って俺の事か？」


俺が“宏ちゃん”ってキャラか？