−*初カレ*−
「ッー…大丈夫か姫華?」


俺は目下に痛みを感じながらも、うっすらと目を開け姫華の安否を確認した。


『宏ちゃん?』


目を見開いて俺の名前を呼ぶ姫華。


「怪我は無いか?」


『え?う、うん…。』


「よかったー…。」


俺は安心したのか、気付いたら姫華を抱きしめていた。


甘く安らぐ香り…。


いつまでも抱きしめたいと感じる…。


「姫華が怪我したらどうしようかと思った…。」


『宏ちゃん…。』


あまりに小さく細い身体で、さっきの蛍光灯が当たっていたら怪我だけじゃ済まなかったかもしれない……。


そんな事を思ったら急に姫華が声を上げた。


『宏ちゃん怪我してるッ』


「え?本当だ。」


俺は姫華に指差されたところに触れると、指先に血が付いた。
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