−*初カレ*−
しっかりと手を繋ぎながらチケットを買って中に入った。






まず目に入ったのは何千匹もの魚たちが泳ぎ回る大海原が、天井いっぱいに広がるトンネル水槽。




まるで自分達が海底の中を泳いでいるようだ。




泳ぐ魚達を下から見上げ、海の世界を感じる。




次に入ったのは照明により演出された4本の変形水槽で、優雅に舞うクラゲ達とその生態を見ることができた。




アザラシ館では北極圏や南極などでしか見られない、少し遠い存在のアザラシを身近に感じることができた。






水族館の醍醐味といえばイルカショー。




私は凄く楽しみにしていた。




パフォーマンス開始時間になるまで他のところを回り、頃合いを見て会場へ行った。




私達は最前列に座ってイルカショーが始まるのを待っていた。




『そろそろ始まるかな?』


「そうだね。あと2〜3分くらいかな?」


優哉は腕時計を見て、段々と席が埋まっていく後ろを見た。
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