−*初カレ*−
その中から黒にラメが散りばめられ、端にキュッとリボンが結んであるカチューシャを見つけた。




試しに頭に付けて優哉の方を振り向いた。




『どうかな…?』


姫華はコテンと首を傾けながら聞いた。




「可愛い…//」


『え…//』


優哉が呟くと、姫華はその言葉に反応してつい照れてしまった。




備え付けの鏡に自分を映し出すと、頬をほんのり赤く染めた自分が映っていた。




恥ずかしい……。




私、優哉くんの前でこんな顔していたんだ……。




私は照れながらカチューシャを取り、そのままお会計をした。




結局買う事にしたのだ。




優哉が褒めたあのカチューシャを。




今度これ付けたらまた「可愛い」って言ってくれるんじゃないかって…心のどこかで思っていた。






アクセサリーショップを出ると、アスファルトが淡く橙色に色付き、夕陽がキラキラと私達を照らしていた。
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