−*初カレ*−
それと同時に伝わってくる優哉くんのトクントクンとした心音。




トクン…




トクン…




優哉くんも緊張しているのかな?




私だけドキドキしているんじゃないんだね。




なんだかたったそれだけなのに嬉しい。




密着しながらも守ってくれる優哉くんが凛々しくて、格好よくて…。




まだこの温もりを感じたくて…まだ駅に着かないでと願ってしまう。






《次の駅は〜恵蘭高校前〜恵蘭高校前〜》




そんな願いも虚しく、私達の最寄り駅に着いてしまった。




なんだか長いようで早く感じた。




《間もなく扉が開きます。足元にご注意下さい。》




私達は電車から降り、改札を出た。




優哉は姫華の手の指に、自分の指を絡めるとゆっくりと歩きだした。




恋人繋ぎ…。
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