天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
「いやいや、もう周りから誤解されるような事はしないよ。麻衣ちゃんに心配かけたくないし、片桐チーフにしたって、キャリアに傷が付いたら大変なはずだから」


「片桐さんって、恋人いないんですか?」


「え? あ、どうなんだろう。いないんじゃないかな。あの人の恋人は仕事なんじゃないかな?」


「そうでしょうか……」


「だと思うよ」


「翔平さん」


「はい」


「私、本当に翔平さんの事、信じていいんですよね?」


「もちろんだよ」


この時の麻衣ちゃんの真剣で泣きそうな顔は、俺の脳裏に強く焼き付いたのだった。


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