天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
第7章

‐まさかの来訪‐

片桐チーフのマンションを逃げるように出ると、外は午前中にも拘わらず、どんよりとして薄暗く、雨がシトシト降っていた。


俺は鞄の中の折りたたみ傘を出す気になれず、濡れるに任せて通りを歩き、たまたま行き着いた駅で電車に乗った。


頭痛だけでなく、吐き気まで催し、最低な気分で椅子に座ると、俺は条件反射的に、上着の胸ポケットから携帯を取り出していた。


携帯では、着信を知らせるLEDが点滅していた。


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