天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
武田は入社して以来、ずっと片桐チーフに憧れていたらしい。脇目も振らずに。


俺が“水臭いじゃないか。なんで言ってくれなかった?”と言ったら、“俺はしょっちゅうサインを出していた。気付かないお前が鈍感すぎる”と、逆に怒られてしまった。


今、武田と喫茶室へ向かうところだが、どうせまた片桐チーフの話なんだろうな……


俺達が喫茶室に入りテーブルに着くと、ゆかりちゃんが笑顔で注文を取りに来た。


ゆかりちゃんは、前に武田と俺のどっちがモテるかで、実験台になってもらったウェイトレス嬢だ。


< 269 / 388 >

この作品をシェア

pagetop