天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
麻衣ちゃんは俺の反応がないのを諦めたようで、更に続けた。


「そしたらね、“ぜひ会わせろ”って、父から言われたの。だから今度、家に来てもらっていいですか?」


麻衣ちゃんは申し訳ないという感じで、しかしすがるような目で俺を見た。


もうだめだ。いま言わなければ……


俺は出来るだけ先伸ばしにしたかった話を、麻衣ちゃんにするために重い口を開いた。

考えに考えて出した、唯一の結論を……


「麻衣ちゃん。俺達……別れよう?」


ドカーン


閃光と同時に、雷が落ちた。


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