天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
もし違っていたら、とんだ薮蛇になるだろう。しかし間違いないだろうと俺は確信し、話す事にした。


「俺と……トーコさんの事だろ?」


武田は憮然とした顔をしていたが、一言、「そうだ」と言った。


「すまん、この通りだ」


俺は武田の返事を聞くと、テーブルに額が着く寸前まで頭を下げた。


「分かったから、頭を上げろよ。ゆかりちゃんがびっくりしてるぞ」


しばらく頭を下げたままでいたら、武田にそう言われて俺は顔を上げた。


アイスコーヒーが乗ったトレーを持ったゆかりちゃんが、目を真ん丸にして俺を見ていた。


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