天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
「武田ぁ……」


俺が情けない声を出して武田を見ると、武田は顔を歪めさせていた。


「中島、お前は……プッ」


「な、何だよ?」


「痴漢疑惑を晴らそうとして……プッ、痴漢してどうすんだよ?」


と言うなり、ガハハハハと笑い出した。


いつの間にか10人ほどにギャラリーは増えていて、女性からは白い目で睨まれ、男からは……複雑そうな目で見られ、武田のバカ笑いがいつまでも廊下に響き渡るのだった。


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