天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
「中島、どうした? まだ話は終わってないんだぞ?」


「あ、そうだな。続けてくれ」


俺は正直言って、後の話はどうでもよかった。だいたい想像が付くし。


「瞳子さんが産婦人科医院から出るところを、会社の営業マンに見られたらしい。しかも相当おしゃべりな奴らしく、今日には社内中に噂が広まっちまった」


「なるほどね。そして赤ん坊の父親が俺だって事もばれたわけか?」


「ああ、そうらしい。“らしい”というのは、推測でお前だろうという噂と、瞳子さんがお前の名前を言ったらしい、という二通りがあるんだ」


「別にどっちでもいいさ」


< 341 / 388 >

この作品をシェア

pagetop