天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜

‐命懸けても‐

翌週の金曜日。


俺に纏わる社内の噂話は、いくらか和らいだ気がする。


トーコさんの情緒不安定は一進一退といったところだ。

俺は精神科でカウンセリングを受けるよう何度も勧めているが、トーコさんは頑として言うことを聞いてくれなかった。


多少救いなのは、トーコさんは同僚から同情の目で見られていて、例えばトーコさんが突然癇癪を起こしても、みな大目に見てくれる。

その分、俺への風当たりは強いのだが。


定時までもう少しという時刻に、広告部にある意外な人物が現れた。


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