天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
「麻衣のこと、心配ですか?」


須藤京子の問いに、俺は俯いたままコクっと頷いた。


「捨てたくせに?」


「捨てたくて、捨てたんじゃない!」


俺は思わず顔を上げ、そう叫んでいた。


そのはずみで涙が頬を伝ったが、気にするのはやめた。


「嘘ではなさそうね。やっぱりあなたにお願いするわ。頼りないけど」


「な、何をでしょうか?」


「麻衣を守ってほしいの。助けてほしいと言うべきかしら」


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