天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
俺はオフィスを定時きっかりに飛び出すと、須藤京子と待ち合わせた2階のコンコースへと急いだ。


広告部は今夜暑気払い、つまり飲み会だったが、もちろんそれはキャンセルだ。


トーコさんと武田にだけはその事を告げた。


急用が出来たからと説明すると、どんな用か二人とも知りたがったが、何も説明しなかった。

説明しようにも、俺自身知らないし。


今分かっているのは、麻衣ちゃんが危険な目に会うかもしれない、という事だけだ。


しかし俺にとっては、その事だけで飲み会をキャンセルするに十分な理由だ。


< 352 / 388 >

この作品をシェア

pagetop