天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
その後俺と麻衣ちゃんは、当たり前だけど同じ電車に乗り、同じ駅で降りた。


「麻衣ちゃんは、ここからどうやって帰るの?」


「歩きです。10分くらいですけど」


「へえー、俺もだよ。やっぱり10分くらい歩いたところのアパートに住んでんだ……」


「私は親と住んでます」


「そう? どっち方向? 案外近所同士だったりして?」


「あっちです」


麻衣ちゃんが指差したのは、俺のアパートとは逆の方向だった。


「俺はこっち。そうは問屋が卸さなかったね?」


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