天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
「何の用ですか?」


須藤京子は、怒った顔でいきなりそう聞いてきた。


いくら俺を嫌っているからって、その態度はないよな……


そう思って内心ムッとした俺だが、そこは我慢して、

「あの、麻衣ちゃんは……?」

と聞いてみた。


「麻衣は休みです」


「あ、やっぱりそうなんだ……。具合が悪いのかな?」


「よくは分からないけど、頭が痛いとかなんとか……」


「風邪かな?」


「さあ……」


まるで誠意のない須藤京子と、これ以上話してもしょうがないと思い、


「では」


と言って人事課を立ち去ろうとした。すると……


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