Lonely girL / プラトニック・キス
レジからケンゴが戻ってきた。

席に座ってタバコを吸い始めたケンゴにヒカリが手で煙を大げさに払うまねをした。

マイは早速といった感じで話し出した。
「ねぇ、ケンゴさ、雄君と仲いいの?」

「雄?あ~~。ま、普通だよ。」

「地元一緒なんでしょ?」
ヒカリが隣に座るケンゴを指差しながら言った。

「ま~な。中学ん時かな。あいつ転校してきたんだよ。」
タバコの煙をヒカリにかけないように上に向かって勢い良く吐きながら言った。

「高校は?雄君って、今うちの定時だよね。」
真由が聞いた。

一瞬だった…。

ケンゴの目が何か良くない場面でも見てしまったかのように鋭く開いた。

え?
なんか悪いこと聞いた?あたし…。

「あ~。高校ね。
俺、受験、推薦でそっこーで決まったから、他のヤツのことは高校に関しては良く知らねーんだ。」

「そうなんだ。」
なんだ…今のケンゴ君の顔、気のせいだったんだ。

すぐにもとに戻って、
いつも通り優しい感じで答えるケンゴに真由は『今の視線は気のせい』と納得した。
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