Lonely girL / プラトニック・キス
雄が釣った2体のぬいぐるみを真由は大事そうに持った。

「夕飯どうする?俺の知ってる店でいい?」

「うん♪」

きっと雄にとってはどうでもいいものであっても、
真由にとってはUFOキャッチャーの景品はとても嬉しいプレゼントだった。

「あ!真由ちゃん!??」

「うそ!マジだ!読モの真由ちゃんだ!」

センター街を歩いているとまたしても真由はそう言って呼び止められた。

「一緒に写メしてください~!」

雄は嫌な顔はせず、少し離れた場所から、真由を取り囲む人だかりを見ていた。


どうしよう…
雄、待たせちゃってるし…

「ごめんね。ちょっとあたし、今一緒の人いるから。」
真由はそう言って笑顔で手を合わせて人だかりを縫って出た。

「雄、ごめん!」

「いや。」
相変わらず軽い感じでにやけながら雄は吸っていたタバコをスニーカーの裏に押し当てて消した。

「すげーな。もしかして、俺すげー子連れて歩いてる?」
笑いながら真由の顔を覗き込んだ。

ドキン!!!
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