Lonely girL / プラトニック・キス
道を歩けば誰かに会える。
必ず声をかけられる。

それが渋谷だった。

でも、今ほど声をかけられることがめんどくさいと思ったことなんかない。

あたし、早くうちに帰って泣きたい。
早く…急がなきゃ…

頑張って止めている涙がまた溢れてきちゃう…。

どんなにたくさんの子から声をかけられて、
写メしてって言われて、
ファンだって言われても…

雄から望まれないんなら、
そんなの何にも意味はない。

誰からの声もいらない。
雄にあたしが望まれれば、それでいいのに…。


「あ、読モの杉田真由だ。」
「ほんとだ。」
「結構かわいいね。」

急がなきゃ…。

真由は声をかけられないよう早足で駅へと向かった。
さっきまで涙を流していた目の焦点を、わざとずらすようにして、
自分の涙腺をコントロールしていた。
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