2m彼氏。
すべった。

そこは名古屋の大須という場所。

商店街から少し外れて、
様々なお店と民家が混ざり合った裏通り。

珈琲屋さんと骨董品屋さんの間で
あたしのお兄ちゃんがおじいちゃんから継いだ、
小さな雑貨屋さんを営んでいる。

お店の中には外国からの輸入品が多く、
中でもガラスの羽根ペンなんかは人気がある。

「爽ぉ、店の外に看板出してくれるか?」

「はーい!」

あたし
萩原 爽はこのお店で
お兄ちゃんの手伝いをしている。

お洒落な雰囲気で若い人達も来てくれるので、
裏通りとはいえ連休とかも結構忙しい。

週に1,2回開かれる小物作りの教室では、
手先の器用なお兄ちゃんが講師で、
あたしはお客さんのアシスタント役。

これは最近雑誌に載ってから
いきなり人気が上がったんだよね。

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