2m彼氏。

薄暗い細道。

「ほわっ!」

日陰に入った所で、
滑って転びそうになった。

「あっぶなーぃ…まだ乾いてないかぁ」

振り返ると、まだ道がぬかるんでいた。
同時に、頭の上から声がした。

「…お」
「お?」

 ドシャン!!

何かが、あたしのすぐ隣に落ちてきた。

「いて…」

「!?」

見るとそれは男の人で、
あたしの足元にしりもちをついていた。

「だっ、大丈夫ですか!?」

「…ン」

「…ゎ…!」

男の人がゆっくり立ち上がると、
ものすごーく身長が高いのがわかった。

あたしのお兄ちゃんもおっきいけど、
多分この人の方がはるかにおっきい。

「あの…?」

「………すべった。」

「え?」

上を指差して、
「……すべって落ちた。」だって。

「…登ってたの…???」

よくわかんないけど、
とにかく滑って落ちたらしい。

「あ!怪我、してる!?」

「イヤ……平気。」

右の手首を血が伝っていた。

「どう見ても平気じゃないと思う…(汗)」

「……折れてない。」

そういう問題でもないと思う…(汗)


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