2m彼氏。

「…ぁ……雨…」

「あれ?ホントだ、
さっきまで晴れてたのに」

窓の外でいつの間にか、シトシトと
雨が降っていた。

「何イィーーーっ!」

お兄ちゃんは慌てて店の奥に走っていく。
「くそぅ、予報じゃ1日快晴だって
言ってたじゃないかぁ~
洗濯物アウトかぁ」

「予報はあくまで予報だからね~
ぁ…看板入れなくっちゃ」

あたしがお店の外に出ると、
樋口さんも後から出てきた。

「コレ…………さんきゅ…」

包帯を巻いた右手を軽く上げて、
お礼を言われた。

「やっ、全然…家は近いの…?」

「ン。」

樋口さんは、通りの向こう側にみえる
小さなアパートを指差した。

「ぁ、すぐそこなんだ…」

そのとき急に、雨が強くなった。

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