一番近くの君へ。



「花ちゃん」



放課後、体育館の前を通ると、ユニフォーム姿の西藤せんぱいに呼び止められた。



最近は孝ちゃんのことでいっぱいで…話すらしてなかった。



「ちょっといい?」



いつもと変わらないせんぱいの笑顔にあたしはコクリと頷いた。



「最近、花ちゃんを見ないから心配してたんだ。」



「あ、ごめんなさい…」



「いいんだよ、僕が勝手に心配してただけ。」



西藤せんぱいがあたしの頭をくしゃくしゃっと撫でる。



…そして、この前の孝ちゃんが頭にぱっと浮かんだ。



やだな…



なんで孝ちゃんが…






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