一番近くの君へ。
───ギュッ
俺は気づけばハナの腕を掴んでいて、
大きな瞳をもっと大きくして驚くハナがおもしろくて…
俺は改めてまた自分の気持ちに気づかされる。
「お前だけ、さきに行くつもりか?」
「え…だってはやく行かなきゃ遅刻しちゃう。」
コイツ、もう少し気のきいた返事…できないのか?
俺はひとつため息をつくとハナの腕を離した。
「ハナ。」
「孝ちゃん!遅刻しちゃうってば!」
俺はプンプンするハナを見て、笑いを堪えるので精一杯だった。