一番近くの君へ。



二人の間に沈黙が走る。



だけど…孝ちゃんはあたしの手を握ったままだった。




ねぇ、孝ちゃん。




孝ちゃんは一体何を考えてるの?




そんな風に思いながら孝ちゃんを見つめたら、孝ちゃんと目があう。




「…お前、隙ありすぎ。」



「え…?」




「…他の男に手なんか握らせてんじゃねーよ。」




孝ちゃんてば…顔、




「孝ちゃん、顔真っ赤…」




…グイッ、




「う、わ、」




いきなり壁に押し付けられ、すぐ目の前に孝ちゃんの顔がある。




やだよ、こんなの…ドキドキする。




もっと、もっと近づいてくる孝ちゃんの胸を押してみるけど、全然意味なくて。




「ま、待って…孝ちゃん!」




「待たない。」




「っ、」




少し強引に重ねられる唇。




だけどそれはすごく優しい。





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