一番近くの君へ。
「おい、ハナ!」
帰り道、さっきの今だから正直孝ちゃんと気まずい。
「な、何?」
「お前、さっきから全然喋らないし、目も合わせないだろ?」
だって〜…
「はは、そんなことないよー!」
「嘘つけ。また目そらしてんじゃん。」
う、
孝ちゃんはもういい、と早歩きになってしまった。
「待ってよ、孝ちゃん…」
孝ちゃんはあたしを無視したまま歩いていく。
「孝ちゃん…待っててばー…」
やっとのことで小走りで孝ちゃんにたどりつき、ちょんと孝ちゃんの袖を掴んだ。
息を整えながら、孝ちゃんを見上げると今度は孝ちゃんが目をそらした。