一番近くの君へ。

憧れの人




聖佳が言ってた先輩というのは、あたしの憧れの人…



今日もあたしは放課後、急いで体育館に向かう。



キュッキュッと鳴り響く靴の音があたしの鼓動をはやくする。



体育館に入るとそこは女の子がたくさんいて…あたしは一生懸命背伸びをしてみた。



「西藤せんぱい…」



ボールを離さない西藤せんぱいの目は真剣で、すっごくカッコイイ。



…西藤せんぱいはバスケ部のエースで、なのに頭もすごくよくて、しかもしかもすっごくカッコイイ!!



こっち、見てくれないかなぁ…



なんて切実に願ってはいるものの、あたしの前にはたくさんの女の子がタオルや水を持ってスタンバイ。



みんな休憩時間を今か今かと待ちわびているんだ。



あたしは手ぶらだしなぁ…






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