一番近くの君へ。
────ガチャ。
「!!!!?」
なぜかドアの音がして俺は急いで起き上がる。
「孝太ー、いるー?」
この声は、
まずい!
そう思った俺は急いでハナを起こす。
「…ん?孝ちゃん?」
まだ眠いのか目をこすっているハナ。
悪い、ハナ。
俺はスエットをハナに渡し、ジェスチャーでとりあえず速く着ろと伝える。
ハナも理解してくれたのか急いでスエットを着ると寝たふりをするようにベッドにもぐった。
「もう、部屋にいるなら返事くらいしなさいよ!」
「はは、麗奈、何か用か?」
あまりに不自然な俺の笑顔と言葉。
勘の鋭い麗奈は、俺とベッドに寝たふりをしているハナを見てふーんと笑った。
「孝太さ、なんでシャツ乱れてんの?」
ギクッ…
「い、今帰って着替えようとしてたんだよ。」
「へぇ、じゃ、なんで花ちゃんが孝太のベッドで寝てるの?」
「…知らねーよ。」
おい、自分。
もっとまともな嘘つけないのかよ。