一番近くの君へ。



「今日は随分はやいな?」



あたしは家から出ると声の聞こえる方を向いた。



「孝ちゃん…」



孝ちゃんはクスッと笑ってる。



「それ、持ってけよ?」



「孝ちゃん、あたし急いでるからまた今度でもいい?」



バナナ豆乳、ぬるくなっちゃう、



孝ちゃんはゆっくりあたしに近づいてきて、ぱっと手からバナナ豆乳を一本取った。



「急いでる、ねぇ…」



なんだか嫌な予感がするって思ったときにはもう遅くって…






< 37 / 202 >

この作品をシェア

pagetop