一番近くの君へ。



エレベーターを降りると家の前に誰かが立っていた。



…誰だよ。



その人は俺に気づくとにっこりと笑った。



黒い艶のある長い髪に、ハナが絶対着ないようなきれいめな黒いワンピースを着ていて…



「孝太、久しぶり。」



名前を呼ばれてはっとした。



「お前、麗奈?」



「何?あたしがわからなかったの?」



眉間に少しばかりシワをよせて麗奈は言った。



麗奈はいとこにあたるやつで子どものころはよく家に遊びに行ったりしていた。



もう、あれから何年もたってるし…外見もかわってるからよくわからなかった。






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