一番近くの君へ。
スレチガイ
次の日学校につくと、クラスの前で西藤せんぱいがあたしにむかって手を振ってる。
あんな態度をとったのに西藤せんぱいはいつもとかわらない笑顔だった。
「おはよう。」
「おはようございます。」
西藤せんぱいはあたしの頭をくしゃくしゃっと撫でて、あたしの目を見た。
「ホームルームまでまだ時間あるし、少し話さない?」
あたしは西藤せんぱいの言葉にコクリと頷いて、せんぱいと一緒に誰もいない中庭まで歩いた。
なんで…せんぱいはあたしを怒らないんだろう?
せんぱいはきっと待ち合わせ場所まで行って、あたしを待ってくれてたはず。
なのに…
西藤せんぱいはさきにベンチに座ると、隣をぽんぽんと叩いてにっこりと笑った。
あたしはそっと西藤せんぱいの隣に座る。